羅馬字かな変換

公開 : 2006/06/23 © 平頭通

――仮名漢字変換システムのための英字キー入力から仮名への変換方式――

JIS X 4063

パソコンのインプットメソッドエディタ(IME)やインプットメソッド(IM)やフロントエンドプロセッサ(FEP)等の入力方式の一種に、羅馬字かな変換と呼ばれる文字入力の方法があります。2000年に日本工業規格(JIS)として規定されました。規格の名称は、"JIS X 4063"「仮名漢字変換システムのための英字キー入力から仮名への変換方式」と云ふ長い名前で呼ばれてゐます。簡単に言へば、英字(ローマ字)の釦(キー)を打鍵(タイプ)する事で、画面(ディスプレイ)にひらがなやカタカナの文字を表示(アウトプット)する方法を言ひます。茲では此のJIS規格を簡単に説明します。

打鍵には英字(羅馬字)の釦を一つから三つ程度使用します。母音字の"a,i,u,e,o"は一打鍵で表示しますが、「きゃ」や「でぃ」等の拗音を表示させる場合は三打鍵必要になります。

打鍵と仮名表示の対応

面倒なので、JIS規格を参考に一覧表を拵へておきます。縦の英字釦に続けて横の英字釦を打鍵する事で該当の仮名を表示させます。

二打鍵以下

英字釦と仮名表示
aiueo備考
一打鍵
k
s
t
n
h
m
yいぇ
r
wうぃうぇ
g
z
d
b
p
jじゃじゅじぇじょヘボン式
fふぁふぃふぇふぉヘボン式
vヴァヴィヴェヴォカタカナ
qくぁくぃくぇくぉ
x小書き

三打鍵

英字釦と仮名表示
aiueo備考
kyきゃきゅきょ
syしゃしゅしぇしょ日本式
tyちゃちゅちぇちょ
nyにゃにゅにょ
hyひゃひゅひょ
myみゃみゅみょ
ryりゃりゅりょ
gyぎゃぎゅぎょ
zyじゃじゅじぇじょ日本式
dyぢゃぢゅぢょ日本式
byびゃびゅびょ
pyぴゃぴゅぴょ
shしゃしゅしぇしょヘボン式
chちゃちゅちぇちょヘボン式
tsつぁつぃつぇつぉヘボン式
thてぃてゅ
dhでぃでゅ
whうぃうぇうぉ
fyふゅ
vyヴュカタカナ
kwくぁくぃくぇくぉ
gwぐぁ
twとぅ
dwどぅ
hwふぁふぃふぇふぉ
jyじゃじゅじょ
cyちゃちゅちょ
t'てぃとぅ
d'でぃどぅ
wy正かな
xk小書き
xt小書き
xy小書き
xw小書き

其の他

上記一覧以外に、四打鍵で仮名を表示させる"dy'u" 「でゅ」や、撥音表記を表示させる"n","nn","n'"「ん」や、子音字を重ね合せて表示させる促音表記の「っ」や、長音記号を表示させる"-"「ー」などの定義が為されてゐます。

之は、飽く迄も鍵盤(キーボード)の操作に依つて仮名の表示を実現させる為の方法を定義したものですので、英字其のものが日本語の表記として独立して存在する訣ではない点は註記しておきます。実も蓋も無い言ひ方をすれば、鍵盤の釦位置の組合せで仮名をどう入力させるかを決めたものと云ふ理解になります。

実はソフトウェアに依つては上記の定義通りに入力できない場合もあります。其の場合でも大概のソフトウェアの場合、設定画面で定義の変更が出来ます。若し正かな入力を麗しく実現したいと思ふのであれば、最低でも以下のやうに定義変更すれば良いでせう。

「うぃ」なら"whi"、「うぇ」なら"whe"、「くぁ」なら"qa"で、夫々入力できます。併し、「ぐぁ」の場合は、"gu"(ぐ)"xa"(ぁ)と分解して入力する必要があります。

参考資料

ウェブ参考資料
JISC 日本工業標準調査会

上記サイトの「JIS検索」に移動し、検索欄に"X4063"と入力して検索するとPDF文書を参照できます。少々の誤植が見受けられます。

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