新撰日本文典 練習の解答
練習問題の元は、豐田八十代著『新撰日本文典 上卷(附録)』より。
第二章 音の種類
練習の解答
- 1. あやわ三行の文字を片假名にてかけ。
- ア、イ、ウ、エ、オ、ヤ、イ、ユ、エ、ヨ、ワ、ヰ、ウ、ヱ、ヲ
- 2. 同上の文字を平假名にてかけ。
- あ、い、う、え、お、や、い、ゆ、え、よ、わ、ゐ、う、ゑ、を
- 3. 「は」を「わ」と轉呼する語を擧げよ。
- いは (岩)、くは(桑)、かは(川)、さは(澤)、「波行四段活用動詞の未然形」等
- 4. 「へ」を「え」と轉呼する語を擧げよ。
- いへ(家)、こたへ(答)、はへ(蠅)、まへ(前)、「波行四段活用動詞の仮定形や命令形」等
第三章 音便
練習の解答
- 淺い川を渉る。
- 笑うて答へず。
- こちらに咲いてゐる花は小さうございます。
- けふは天長節というて、おめでたい日です。
- 太田君をさそうて、遠い村へいつた。
淺い・笑うて・咲いて・小さう・云うて・めでたい・誘うて・遠い
第四章 假名遣
一 「は」と「わ」
練習の解答
- 歸りに、こいしかはへまはる。
- この着物には、厚いまわたが入れてある。
- 太郎は、やはらかな芝の上にすわつてゐる。
- よわゝゝしい老人が、あは飯を炊いてゐた。
- 天氣がかはつたので、ことわつておいた。
小石川・廻る・厚い・真綿・柔らか・坐つて・弱々しい・炊いて・変つた・断つて
二 「い」と「ひ」と「ゐ」
練習の解答
- いへのまはりに、小さい木がうわつてゐる。
- あのくらゐ賢い子は少からう。
- 奇麗な、ゐむしろが布いてある。
- あぢさゐが、ゐづつの近くに咲いてゐる。
- こひといふ魚は、いけやかはなどに住む。
周り・小さい・植わつて・位・少からう・居筵・布いて・紫陽花・井筒・咲いて・ゐる・池・川
三 「う」と「ふ」と「ゆ」
練習の解答
- 彼はあわたゞしく問うた。
- 教ふるは學ぶの半と古人もいうてをる。
- むかうに大きなるゐぜき見ゆ。
- 畑にあゐを植う。
- 兵をひきゐて、山を越ゆ。
慌しい・問うた・教ふる・言うて・向う・堰・見ゆ・藍・植う・率ゐて
四 「え」と「へ」と「ゑ」
練習の解答
- 旗にはともゑの紋がついてゐる。
- 釣舟が、いまいりえの口までかへつて來た。
- かすかに聞えてゐるのは、柴ぶえのこゑであらう。
- にはとりに今ゑをやつてゐるのは、隣のうちのすゑの子である。
- 今日のえものは、鮒とはえとである。
巴・附いて・入江・帰つて・聞えて・柴笛・聲・あらう・鷄・餌・末・獲物・鮠
五 「お」と「ほ」と「を」
練習の解答
- 目にあを葉、山ほとゝぎす、初がつを。
- 手をついて、歌まうし上ぐるかはづかな。
- いにしへのふみ見るたびにおもふ哉、おのがをさむる國はいかにと。
- おやおもふ心にまさるおや心、けふのおとづれ何ときくらむ。
- けふの雨に萩もをばなもうなだれて、うれへがほなる秋のゆふぐれ。
青葉・鰹・附いて・申し・蛙・古へ・己・治むる・親・親心・尾花・愁へ・顏・夕
六 「じ」と「ぢ」
練習の解答
- 蜻蛉や何のあぢあるさをの先。
- ながゝゝとかはひとすぢや雪の原。
- 秋の野にたがぬぎ懸けしふぢ袴、來る秋ごとに野べをにほはす。
- するがなるふじの高根は、いかづちのおとする雪のうへにこそ見れ。
- 何ごとのおはしますかは知らねども、かたじけなさに涙こぼるる。
味・竿・筋・藤袴・匂はす・音・上・おはし・忝さ
七 「ず」と「づ」
練習の解答
- 戰うて、勝たざるなし。
- 終を全うせよ。
- 其の聲を聞いて、其の人を見ず。
- 朝に星を戴いて出で、夕に月を踏んでかへる。
- 貴賓の臨塲を辱うす、
- 港口を塞いで、還らむとす。
- 仰いで、明月を望み、伏して、故郷をおもふ。
- 天勾踐を空しうすることなし。
- 笑うて答へず、心おのづから閑なり。
- 友人を誘うて野外に遊ぶ。
- 視れども、見えず、聽けども、聞こえず。
- 敵を追うて、沙河に至る。
- 謀君の家を訪うた。
- 負うた子にをしへられて、淺瀬をわたる。
- 私は外國語を學ばうと思うてゐた。
- 梅の實ははじめには色があをくて、後にはきいろくなります。
- けふは晝まで咲いてゐて、あした、また咲けあさがほや。
- 學校では兩陛下の御寫眞ををがんで、おいはひの唱歌をうたひます。
- むかうに高い杉の木が見えませう。
- あしたは三郎さんと海ばたへあそびにまゐります。
- 朝がほに釣瓶とられて、もらひみづ。
- 古いけやかはづ飛びこむみづのをと。
- 出づる峯入る山の端の近ければ、木曾ぢは月の影ぞみじかき。
戰うて・全う・聞いて・戴いて・歸る・かたじけなう(辱)・仰いで・思ふ・空しう・笑うて・自づ・誘うて・見え・聞こえ・追うて・とうた(訪)・負うた・教へ・學ばう・思うて・ゐた・始め・青・黄色・咲いて・ゐて・朝顏・拜んで・祝ひ・歌ひ・高い・見え・せう・參り・朝顏・貰ひ・水・池・蛙・音・出づる・短き
参考資料
- 豐田八十代著『師範教科 新撰日本文典 上卷』
- 1906年、學海指針社
- 大槻文彦著『言海』(中型)
- 1904年、吉川弘文館([ちくま文庫版]ISBN:4480088547)
関聯頁